被災地に送ることを念頭に作ったペール缶ロケットストーブは、災害の現場はもちろん、防災ツールとしてや、手づくりワークショップや野外イベントなどで使うには、とても優れもののストーブだと思います
どこでも手に入るステンレスの煙突とペール缶のサイズが絶妙で、
パーライトという軽くて熱に強い断熱素材と出会い、
軽くて持ち運び出来、煤も煙も少なく、燃費がよく、小枝程度が燃料となり、樹種など選ばず、扱いやすい
これに、オリジナルの五徳とノブヒェン窯をセットした岡野さんの”被災地スペシャル“では、鍋の安定性が増し、料理の幅も広がって、
震災以降の3年間をほぼこれだけで暮らせるほどのクオリティです
もちろん欠点もありますが、利点とのバランスを考えると、ペール缶で作るロケットストーブは、これが最終形だと思っています
だから、ロケットストーブが簡易的なものではなく”暮らしの中の火”となるためには、ペール缶の束縛から逃れなければならない
そう考えた岡野さんは、構想を暖め続け、今回そのアイデアをトラックハウスで使うロケットストーブに拝借することになりました

新型ロケットストーブは、ペール缶ロケットストーブと同じホンマ製作所のステンレス煙突とパーライトを使いながら、フレームやボディを1から手づくりすることで、ペール缶の制約から飛び出しました
焚き口から燃焼室にかけての部分を保温することで、燃焼効率がかなり向上し、
四角いフレームは、空間を有効に使える利点があり、
底面が広がって、構造がしっかりしたことから、不安定という心配が解消されました
天板のユニットをのせて、調理は天板からの熱伝導で行うことで、室内が煙ったり、鍋底が真っ黒になったりしません
せまい室内で使うのに、これはいちばん望んだことです
天板に熱を集中させれば、ノブヒェン窯も使えるはずです
さらに、焚き口の右のスペースは、ポットや小鍋を置いて加熱することが出来、これはかなり便利でしょう
排気は、天板ユニット内から本体側面を通り、煙突で室外に出す予定です
煙突や本体や周辺の壁などが熱くならないように、通気層と断熱層を設けて火傷や火事を防ぐことも重要です

このロケットストーブは、トラックハウスにのせるためのストーブですが、もっともっと大きな可能性をもっています
トラックハウスのような制約の多い場所で使えるということは、普通の家庭で使うことも容易に出来るでしょう
暮らしに火を取り戻すことがもっと簡単に
薪を拾って、火を焚き、温かくておいしい料理を家族のためにつくる
こんなストーブがあれば、そんなシーンがあちこちで生まれることが期待できます
シンプルな構造ですから、これを元に、それぞれの暮らしにあわせて様々なストーブが生まれるとよいと思います
暮らしのためのツールや、燃料を自分で手に入れる
自立した、心地よい暮らしこそが豊かであると多くの人が考えるようになれば、
世の中変わるんじゃないかと思います

このページでは、新型ロケットストーブの製作過程と構造などについて書かせていただきます
ストーブの製作は、ありとあらゆるパーツが岡野さんの手づくりであることがわかると思います
その作業は、並大抵のものではなく、感謝と畏敬で頭が下がって言葉にならないくらいです
また、ストーブの構造は、ロケットストーブの原理や鉄などの素材について深く理解した岡野さんのアイデアがふんだんにもりこまれているのがわかると思います
岡野さんは、このロケットストーブに限らず、こうしたアイデアを公開しています
”オープンソース”という、コンピュータのソフトウェアの著作権についての考え方がありますが、それとおなじような考えでのことです
独りで出来ることには限界があれど、たくさんの人の知恵をあつめればもっと大きなことが出来ますし、アイデアが個人や団体の利益のためではなく広く社会に利することを目的とする考えです
だれもが真似をしたり、独自のアイデアを盛り込んだりできますが、元々の開発者である岡野正美さんのお名前や理念を受け継ぎ、二次的に生まれたものも”オープンソース”であることをここにお願いいたします

 

 

執筆時の現況:

燃焼室(T曲り管)の蓋をガードするための蓋が付きました。
T曲り管の蓋は、灰を出すために開ける所ですが、燃焼中には高温になるところですので、ガードのための開閉できる蓋が必要なわけです。

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がっちりと熱からユーザー(わたし)を守ってくれる、頼もしい蓋です。
屈曲部分のラインも美しい。。
もちろん、岡野さんの手作りです。
ヒンジの部分は、5mm厚の鉄板を2枚重ね合わせて溶接し、1cmの厚みにしてあります。
可動部分のネジ穴は、まっすぐ貫通するようなラインで上下が垂直に揃わないとちゃんと開閉できませんが、その難しい作業にはカスタムナイフ作りの道具と技が使われています。

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焚き口の位置においてある金網は、薪がはぜて床を焦がしたりしないようにするための”ファイヤーガード”です
名古屋の葛谷商店さまに製作していただきました
細かなところまできれいに作ってくださり、スタイルも美しい金網です
岡野さんが手間をかけて丁寧に美しく作ってくださったロケットストーブですから、ファイヤーガードもこれくらい美しくないといけません

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ファンネルは、このようにボディに付きます

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Photo by Okano

 

ストーブ本体と排気煙突をつなぐための”ファンネル”です

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断熱塗料を塗装する前
溶接など加工の様子がよく分かります
信じられないほど手の込んだ加工がなされています
ペンキを塗ってしまうのがもったいないと思ったほど
これがストーブ本体に取り付くと、美しい曲面も隠れてしまいます
ああ、もったいない

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鉄板を切り出し、曲げ、叩き、削り、溶接し、磨いて出来ています
信じられないような手の混んだ作業
「これが作れてしまえば、なんでも作れると思える」と岡野さん

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上部ユニットのアウターケースです
鉄板と足場パイプで出来ています
直角と平面を出すのがとても難しかったということです
さび止めは、鉄を高温にして油を塗込むという、鉄鍋の”シーズニング”と同じ方法で油膜をつけました
だって食べ物をあつかうところですから、ペンキは塗りたくなかったのです

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燃焼テスト
トッププレートは400度を超えました

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上部ユニットのインナーパーツです
これは、ヒートライザーから吹き出す高温のガスを、効率よくトッププレートに当てて、流れを下に変えるためのものです
トッププレートのステンレス製調理用プレートの受けにもなっています
とにかく、流れをスムーズにすることをいちばんに考え、細かいところまでも丁寧に形作られています
そのために、どうやって作業をするかというところから難題は始まっていたようです

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溶接するためにパーツを固定しなければなりませんが、それが問題だったそうです
手元にあった鉄のブロックと、鉄アレーの頭と、両面テープで解決したようです
出来ないと思わずにあるものでやるというのは、こういうことなのかと教えてもらった感じです

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隅のほうまで手が込んでいます

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鉄板を丸く切り出しているところです

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穴を開ける前のインナーパーツ

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心臓部が出来たところで燃焼テストをしました。
「ゴォーーーーー」という、ロケットストーブ特有の音を響かせ、気持よく燃えました。
着火も早いし、煙もほとんど見えないレベルです。

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薪は、建築廃材の杉を小割にしたものです。

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ちゃんと断熱されているので、外側は手で触れるくらいでした。

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パーライトが満タンに入っています。

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燃焼室まわりもパーライト満タンです。

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ヒートライザーから放出される高温のガスは、上部ユニットにぶつかって、下に向かいます。
その流れをスムーズにするために、半割ベーグルのような形のパーツを作成し、乗せています。

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燃焼室〜ヒートライザーの断熱は、ペール缶ロケットストーブと同じくパーライトを使います。
パーライトを貯めるための空間は、鉄板を加工したり、ガルバリウム鋼板を曲げたりして作成。

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ガルバリウムの円筒を支えるための金具も手づくりです。

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下部は、鉄板を曲げてケースを作り、ストーブの底面からは浮かせてあります。

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鉄板にステン管の穴を開けているところです。
ボール盤で円周に沿って穴をいくつも開け、それをつないで切り抜き、ヤスリで円周を綺麗に整えるわけです。

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ヒートライザーのまわりを囲むガルバリウムは、トラックハウスの屋根材のあまりです。

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燃焼室まわりの断熱は、耐火煉瓦が使われています。
底面に熱を伝えないように、燃焼室の温度を下げないようにするためです。
耐火煉瓦を固定するケースと、燃焼室のステン管を固定するためのバンドはアングルや鉄板を使って製作。
レンガは、ステン管の形に合わせて削り出してあります。

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基本的な骨組みと、焚き口〜燃焼室〜ヒートライザーまでの心臓部が出来ました。
ペール缶ロケットストーブを作った人はわかると思いますが、焚き口からヒートライザーまで、
心臓部は同じホンマ製作所の煙突(φ106)です。

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このように、このロケットストーブはペール缶ロケットストーブと同じホンマ製作所のステンレス煙突とパーライトを使いながら、フレームやボディを1から手づくりすることで、ペール缶の制約から飛び出しました
焚き口から燃焼室にかけての部分を保温することで、燃焼効率がかなり向上しました
四角いフレームは、空間を有効に使える利点があり
底面が広がって、構造がしっかりしたことから、不安定という心配が解消されました
天板のユニットをのせて、調理は天板の熱で行うすることで、室内が煙ったり、鍋底が真っ黒になったりしません
せまい室内で使うのに、これはいちばん望んだことです
ノブヒェン窯も使えるくらい天板にさらに熱を集中させる工夫も考えているところです
さらに、焚き口の右のスペースは、ポットや小鍋を置いて加熱することが出来、これはかなり便利でしょう
排気は、天板ユニット内から本体側面を通り、煙突で室外に出す予定です
煙突の断熱はどうなるでしょうか
本体や周辺の壁など熱くならないように、通気層と断熱層を設けて火事を防ぐことも重要です
トラックハウスの屋根や結露防止に使った「セラミックカバーCC100」という断熱塗料が200℃まで耐えられるので、それも断熱に使えます

トラックハウスと同様、アウトラインがイメージできたら、作りながら、考え、ひらめいたり、アドバイスいただいたり、
図面も完成図もないストーブづくり
岡野さんの手作業でこつこつ進行中です

 

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トラックハウスのロケットストーブ」への2件のフィードバック

  1. 手の込んだ素晴らしい出来栄えです。
    ひとつ質問があるのですが、焚き口と燃焼室が斜めにオフセットされているのですが、どんな意味があるのでしょうか。

    1. ありがとうございます。焚き口横でもちょっとした調理や保温ができるようにと、スペースを活用するためです。

コメント

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