東日本大震災の被災地で、電気やガスの途絶えた被災地で、簡単に手に入る小枝や木切れを燃料に、若いお母さんでも簡単に使えて、煙ったり煤けたりしなくて快適で、明るいデザインのストーブを提供できれば。
そして、現地で被災者自身やボランティアが、手に入る材料で簡単に作れるものであるほうがいい。
そんな思いを込めたロケットストーブ。
東日本大震災の被災地支援のために岡野さんが製作したロケットストーブは、岡野さんによって”heeさんの被災地スペシャル”と名付けられました。
“heeさん”とは、わたしのあだ名です。もったいないことです。

このページは、ペール缶ロケットストーブ”heeさんの被災地スペシャル”の特徴や誕生の経緯、そして焚き火小屋で2年ほど使い込まれた結果を報告します。
このページを作成するにあたり、岡野さんのブログ「焚き火小屋の備忘録」の記事を参考にさせていただき、たくさんの写真を拝借しました。ありがとうございます。
写真には「焚き火小屋の備忘録」の元記事のリンクを貼らせていただきました。わたしのつたない説明だけでは伝えきれないことが岡野さんの記事にはたくさん書かれています。そちらもぜひご覧ください。

 

Exif_JPEG_PICTUREPhoto by Okano

被災地スペシャルのロケットストーブの基本的な構造は、わたしが作ったこちらのペール缶ロケットストーブと同じです。
2つの20Lペール缶を縦につなぎ、φ106mmステンレス煙突を3つつないで燃焼室〜ヒートライザーとし、ペール缶と煙突管の間にパーライトを充填して断熱材に使用しています。

震災直後に一斗缶のロケットストーブを使ってみましたが、煙や煤が多くて、うまく燃えなくて、被災地に配ることを躊躇していました。
快適に使えるものを、とWebを這い回り、この形にたどり着きました。
たしか関西のhoopさんという方がこの形で製作し、ワークショップなどをされていて、そのロケットストーブが美しくクオリティもすばらかったので参考にさせていただき、手元にある工具などで作れるように工夫したと記憶しています。残念ながらそのサイトは今では閉鎖されてしまったのか見つかりません。
その方のロケットストーブの特徴であった、T曲り管を使い垂直に立ち上がる焚き口は、岡野さんがガスボトルで作ったロケットストーブの焚き口を参考にされたものだったと記憶しています。(「小さな焰の向うに…」焚き火小屋の備忘録)

こうしてわたしが作って被災地にもっていったペール缶ロケットストーブですが、それを見た岡野さんが気づいたところを改良し、さらにノブヒェン窯をセットにしたのが、”heeさんの被災地スペシャル”です。

改良点のひとつは、五徳です。
ペール缶ロケットストーブにうまく収まり、使いやすくて簡単に手に入る五徳として、とりあえず小さめの煉瓦ブロックにその役割りをさせていました。
これを見かねた岡野さんが作ってくださったのが、下の写真の五徳です。
鍋が安定して乗せられ、ロケットストーブの上面の鉄板で五徳がすべることもなく、高温やたとえ雨風にさらされたとしても長い年月を耐えるほどの丈夫さを持ち、機能と性能が一目で分かる優れたデザインの五徳。

e0182134_371456Photo by Okano

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このとおり、岡野さんが鉄筋を曲げ、溶接し、ヤスリ掛けして作ったオリジナルの美しい五徳です。

e0182134_12363766Photo by Okano

その後、岡野さんが手曲げして作っていたリングと五徳の足を、enasanrokuさんが「鉄の輪っかプロジェクト」を立ち上げて支援してくださいました。

e0182134_275084 Photo by Okano

“被災地スペシャル”のもうひとつの特徴が、この焚き口の補強です。
もともと煙突管ですから、燃焼の高温に直接さらされることは想定していません。
それに、こうして煙突管が動かないように固定することで、構造的に弱い接合部分の傷みが少なくなることが期待できます。

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実際、とある被災宅の屋外で毎日使っていただいたロケットストーブの焚き口が、こんなふうに取れてしまったことがあったのがこの補強のきっかけでした。

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ペール缶は、たくさんの方々の恊働で焚き火小屋に届いたそうです。
岡野さんの負担とならないよう、きれいに洗われたペール缶が。
被災地で、すこしでも明るい気分になれるようにと、缶のデザインにまで配慮くださいました。

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断熱材として入れるパーライトは、1台あたり40リットル近く使用します。
わたしのほうで調達していましたが、かなりの負担となっていたところ、「庭工房フォレストガーデン」の森田さんが、東邦レオさまに掛け合ってくださり、”ホワイトローム”という商品名の黒曜石パーライトを無償提供にて使わせていただきました。森田さんは、大量のホワイトロームの配達(東京〜福島)までしてくださいました。
森田さま、東欧レオさま、ありがとうございます。

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ステンレス煙突管は、ホンマ製作所のステンレス煙突(ハゼ折)φ106mmを使いました。
ホンマ製作所さまには、被災地支援の特別価格でご提供いただきました。
ありがとうございます。

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東日本大震災の被災地にお届けしたロケットストーブは、以上のようなストーブです。
たくさんの人の知恵や思いや恊働がつまったストーブです。
被災地に限らず、楽しさや美味しさや心地よさを手に入れることの出来る、このロケットストーブが、これまでも、これからも、暮らしを豊かにすることを祈って止みません。

 


”被災地スペシャル”その後

島根の焚き火小屋で、2年あまり使ったロケットストーブの姿です。
毎日の3食の食事や2、3日に一度のノブヒェン焼成などに使われました。
ロケットストーブは2台あり、2台を同時に使うことは少なかったものの、ノブヒェンを焼く時にはフルパワーで、ステンレスの煙突管が真っ赤になるくらいまで高温で使われたロケットストーブ。
1日平均1時間としても、2年で700時間あまりを使われたことになります。
ステンレスと言えども、錆が浮き、凹み、穴が空いてぼろぼろです。
ペール缶も、高温になる部分は錆びて朽ちたりしています。
しかしどうでしょう、3枚目の鉄瓶の写真のように、まだ使おうと思えば安全に使える状態を保っています。
ぼろぼろになったロケットストーブ上部で、どっしりと安定を保ったままの五徳。
焚き口をつなぎ止めたボルト。
高温でも劣化しないパーライト。
パーライトの断熱で高温になることのないボディ。
ペール缶ロケットストーブ”heeさんの被災地スペシャル”の考え方が間違っていなかったことが2年経って証明されたような姿です。

ぼろぼろになったステンレス煙突と五徳が乗る鉄板(ペール缶の底)を新しいものに取り替え、補強と風防を兼ねてペール缶の口を継ぎ足せば、おそらくまたこの先の2年間、焚き火小屋の食事を作り続けることが出来るでしょう。

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e0182134_361844Photo by Okano

 

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